ブログ - Words from Flying Books
Flying BooksのCDレーベル、FLY N’ SPIN RECORDSから1st「UNDER THE WILLOW PANDA」、2nd「UNDER THE WILLOW ICHIGO」を出しているキーボーディスト/プロデューサーのタケウチカズタケが5年ぶりの新作「UNDER THE WILLOW RAIN」をリリースしました!
初回特典の4thアルバム「UNDER THE WILLOW SUN」付でFlying Booksにも入荷してます。特典は限定なのでお早めに!
新作は聴いたけど、はじめの2作はまだ方は是非、黒とピンクの2作も併せてチェックしてみてください!
(お値段も1680円とお求め安くなってます!)
アルバムの詳細や視聴はこちらから
盟友RomancrewのALI-KICK監修のMV「Don’t Cry to Me」も!
VIDEO
『I am a king』より
『サラーム・アレイコム』より
遅ればせながら2013年の始まりは、二人の巨匠の死によって幕が上がったと記憶する。一人は日本映画界の巨人、世界の大島渚、もう一人は写真界のキングこと、東松照明だ。東松照明は2012年にすでに世を去っていたが、遺族からの発表は2013年の1月だった。日本の戦後を代表する二人の偉大な芸術家の死に、一つの時代の終わりを感じた。昭和一ケタ代に生まれた二人は間違いなくオトナであり、社会的であり、それがゆえに、そこが限界であった。東松照明と大島渚世代の共通点は間違いなく戦争、そしてアメリカ二ゼーションだ。
『朱もどろの華』より
東松照明と言えば、今や巨匠の森山大道、荒木経惟の親分として写真界で大きな顔をしていた人物である。いわいるフランス映画界でのメルヴィル、ブレッソンである。東松照明のアシスタントへの夢やぶれて、細江英公のアシスタントになった森山大道のエピソードは有名だし、彼はいまだに東松の写真に対してのベタ惚ぶりを公言してはばからないし、森山の写真や名前の読み方の変化でもその影響が伺える。東松が参加していた写真家集団「VIVO」は、川田喜久治、奈良原一高、細江英公など個性的な写真家の集まりで、今見てもなかなか興味深い。なぜなら、いま名前を上げた写真家達は基本的に誰にも似ること無く、独自の表現を奇跡的に追求しているからである。「VIVO」が先にあってのその次に「プロヴォーグ」という流れは、歴史的必然である。そう、創造なくして破壊なし。また、メインカルチャーなくしてカウンターカルチャーなし。
『東松照明 日本の写真家30』より
東松の写真活動には、前期のシリアスなモノクロームの写真と、後期のストレートなカラー写真に分断される。しかしこの分断は常に往復可能である。前期の写真は後期のカラー写真の影として存在し、後期のカラー写真にはモノクローム写真からの時間の距離、敗戦や占領といった事実が、時間により風化せざるえないことを、あっけらかんと感じさせる。初期のモノクロームの写真は、内容抜きにしてもそのグラフィックのセンスは抜群である。森山大道はこれにイカレタのだろう。後期カラー写真では異様な存在感を持ち、ブキミな「キャラクターP」などは、東松の表現者としてのポテンシャルの大きさを嫌でも感じさせる。美術評論家の椹木野衣は、「キャラクターP」への愛を語り、むしろこれだけで良い言わんばかりである。モノクローム、カラー双方の写真が一つの「曼荼羅」あるいは、「アトラス」として再編集されたアクティブな展示が観られることを、今後ぜひ期待したい。
『I am a king』より
現在、東松照明は森山大道や荒木経惟の影に隠れて、その存在は若者に与える影響は決して大きくは無い。しかしその作品やライフスタイルを含め森山や荒木よりも注目に値するのは事実である。沖縄への移住や、デジタルへのなんら抵抗感を感じさせないスマートな移行は、東松の先入観なしに物事を観る視線、そのままである。東松の主観を排した客観的な視線は、オトナならではの視線である。個人的に偏愛しているのは「Visions of Japan」に収められたでの九十九里浜の漂着物を撮影した作品である。古代より漂着物は漂着神あるいは寄神として象徴的にあつかわれ、人々の心をくすぐる物である。東松はこの物質に対してのメランコリーや腐敗物への嗜好を廃止、さわやかに撮影している。表現意識が極度にそぎ落とされたその視線は、寒々として恐ろしいくらいだ。この機械のような目が、被爆した皮膚、あるいは「キャラクターP」のキメラ的風景を出現させているのはゾクゾクする。東松照明がもし映画を作るなら美しいホラー映画だろう。
『I am a king』より
日本の写真界も巨星が逝った後、残された者達で新しい歴史を作らなくてはならない。しかし、いま活躍し安定的な立場に居る者には期待出来ないだろう。KI賞とか、DK賞とかいう写真界の権威ある賞は、未だに古くさい手法の「うまうま」な写真のオンパレードだ。「うまうま」な表現とは、テリー・ジョンスン(湯村輝彦)が考えた「へた」と「うまい」の二項対立を超えたより多様な評価基準のことだ。そのなかで「うまうま」は4段階中で3番目だ。1位に「ヘタうま」を置き、2位は「ヘタヘタ」、3位は上述の「うまうま」、4位は「うまヘタ」である。この評価でいくと「うまうま」の写真押しではシーンを変えられない。出来れば、大いなる失敗を恐れない勇気ある者に光を当ててほしい。そこからしか次の時代を担う人物は出てこないだろう。もしかしたら作者はいらないのかも知らない。音楽界では、初音ミクがいるし、将棋界では次々と名人クラスがコンピューターに敗戦している。現実の世界では匿名のハッカー集団アノニマスなどが現実に影響を及ぼしている。コンピューターでも人間でもサイボーグでもヴォーカロイドでも何でもいい、新しいことをしてる作品が見たい。それはもう、人間が撮ってなくてもいいじゃないか。
『おお!新宿』より
ハヤシユウジ
『おお!新宿』
東松照明
初版 カバー少イタミ
写研 1969
¥250,000
『サラーム・アレイコム』
東松照明
初版 ビニカバー
写研 1968
¥38,000
『I am a king』
東松照明
初版 函
写真評論社 1972
¥35,000
『朱もどろの華』
東松照明
初版 写真専門学校による資料(76年)付
三省堂 1976
¥16,800
『東松照明 日本の写真家30』
東松照明
初版 帯背ヤケ
岩波書店 1999
¥5,000
ゲーリー・スナイダー待望の新作、『子どもたちのために』と、以前、山と渓谷社から出て長らく絶版になっていた故・山尾三省さんとの対談集『聖なる地球のつどいかな』が野草社から刊行され、Flying Booksにも入荷しました!
『子どもたちのために』はフォト・エッセイ集とも言えるくらい、ネイチャー・フォトグラファーの故・高野建三氏による写真がたっぷりと添えられ、シエラの山中、キッキットディジーにあるスナイダーの自宅や、そこでの生活、思想がエッセイと詩ともに紹介されています。ここまでまとまって写真で紹介されるのは世界初だと思います。
『聖なる地球のつどいかな』は対談でありながら、詩も多数収録され、スナイダー、山尾三省、両氏の思想がわかりやすく語られてます。こちらにも高野氏の写真が多数収録されており、ネイチャー・ライティングや、バイオリージョナリズム等の入門としてもおすすめの1冊です。
Flying Booksの常連でもあった高野さんは昨年の夏に亡くなられましたが、この本をとっても楽しみにされていたので、刊行されたことを心よりうれしく思います。是非、手にとっていただければと思います。
今日4月25日から5月16日まで、代官山蔦屋書店にNYのメンズブランド「Jack Spade」のPOP UPショップがOPEN、Jack氏のお気に入りの本や雑誌をイメージしたブック・セレクトとディスプレイのお手伝いをしました!
テーマは「HAVE A NICE COMMUTE (良い通勤を!)」、5月病を吹き飛ばすような、素敵なバッグ、小物、本を取り揃えてます!
本は、サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」やヘミング・ウェイ「移動祝祭日」の初版等、幻のハードカバー、今回に併せアメリカから取り寄せたNY発日本語文芸誌「American Book Jam」のバックナンバーも揃えました!洋書だけでなく、通勤にも便利な文庫サイズの翻訳もあります!
今回に併せ、Jack氏おすすめの日米の書店6店が描きおろしで描かれた6ヶ月(7-12月)カレンダー(Flying Booksも登場してます!他には蔦屋書店のほか、NYのストランド、ダッシュウッド、SFのシティ・ライツ、バークレーのMoesが登場)とJack SpadeのJournal(野村訓市氏他の執筆)4部をセットでご用意しました。(税込840円)
こちらは代官山蔦屋書店とFlying Booksのみでの販売してます。数に限りがあるのでお早めに!!
(以下、プレスリリースより)
HAVE A NICE COMMUTE!
代官山のランドマーク、代官山蔦屋書店内、2号館マガジンストリートに、JACK SPADEのポップアップショップが登場。
GWももう目前。新しい環境にも慣れ、そろそろ通勤、通学が億劫になる時期。そんな毎日の通勤、通学を楽しみに変えてくれるアイテムをそろえたイベント、「HAVE A NICE COMMUTE (良い通勤を!)」を開催します。(kate spade new yorkのポップアップとの同時開催)
今回の企画に併せ、期間限定で発売される「BOOKSTORE CALENDAR」は、やさしい手描きのタッチが人気のNYを代表するイラストレーター、JASON POLANによる描き下ろし。代官山蔦屋書店をはじめ、JACKがこよなく愛する日米の書店が登場します。(JACK SPADEファン垂涎のNEWSLETTER全4巻付 予価・本体800円)
通勤が快適になるJACK SPADEのバッグや小物が揃い、代官山蔦屋書店コンシェルジュのセレクトによるJACKの人物像をイメージした国内外の書籍、雑誌が並び、(今回に併せ、NYで編集された伝説の文芸誌『American Book Jam』が蔦屋書店初登場)Jack Spade渋谷店のディスプレイを手がけた古書店フライング・ブックスによるヴィンテージ書籍や雑誌も同時展開。
さらに電車内の読書が楽しみになる、2種類のデザインのJACK SPADE BOOK COVERを期間中無料で配布します。
お気に入りのバッグに、ポップなブックカバーで着飾った小説や詩集を忍ばせるだけで、毎日の移動が楽しくなること間違いなし!
(特製のブックカバーは無料配布中)
家具デザイナーのイームズのドキュメンタリー映画公開に伴い、渋谷アップリンクにてイームズ関連書籍を含むヴィンテージ・ブック・コーナーを制作しました。
今回に併せて仕入れた当時の稀少なオリジナルもあるので、是非ご覧ください!
(映画を観なくても、物販コーナーのみの利用も可能です。)
http://www.uplink.co.jp/eames/
NYとサンフランシスコでメンズセレクトショップの概念を刷新した「Freemans Sporting Club」が北青山に本日Openしました。
一見3階建ての普通っぽい建物ですが・・・
入り口はセレクトショップ、2階は高級テーラー、3階はヴィンテージのカット台が配されたバーバー、そして地中深く掘られたB1フロアには壁面緑化も鮮やかなテラスもあるレストラン・バー。
クリエイティブ・ディレクターのTAAVO氏自らセレクトした古写真や剥製があちらこちらに配され、どこをとっても映画のワンシーンの中にいるかのような完璧な世界観が構築されてます。
1950年代がテーマということで、Flying Booksからも、主にセレクトショップとテーラーのフロアにヴィンテージのファッション写真集とビート・ジェネレーションのペーパーバックを提供させていただきました。
どこの国、どこの都市に行ってもファストファッションばかりが目につく昨今、こういうこだわり抜いたお店の誕生は本当にうれしいです。
http://freemanssportingclub.jp/
3月10日のラップ&音楽とのセッションも記憶に新しい、九州諏訪之瀬島の詩人・ナーガこと長沢哲夫さんと、シンガー内田ボブさんのリーディング・ツアー。
先日のイベントでの相性もよく、意気投合したパーカッショニスト、高橋結子も参戦が決定!今回はよりたっぷりとセッションを披露します。
目ではなく耳から入り、脳の中でカタチを作る長沢哲夫の「言葉」たち、打楽器マニアでもある高橋結子の作る世界のさまざまな「音」は、その空間と居合わせる者たちにより深いイマジネーションを与えてくれます。
約半世紀にわたり、ビキニ諸島やアメリカのネイティブ・アメリカンの聖地を周り、原子力の怖さを発信し続けてきた内田ボブさんのメッセージは今だからこそ、さらなるリアリティを持って入り込んできす。
60年代末、新宿、信州、そして諏訪之瀬島を中心に既存の価値観とは別の価値観を持った生活を実践していた若者の集団「部族」。その中心メンバーにして、半世紀以上に渡り、同じスタンスを貫いている詩人とシンガーの言葉に耳を傾けていただければと思います。
4月28日(日)
「Beat Goes On vol.14〜春風めぐるツアー2013」
【ポエトリー・リーディング、ライブ】
出演:長沢哲夫、内田ボブ、高橋結子 (パーカッション:ex SUIKA他)
OPEN:18:00 start:18:30
会場:Flying Books
料金:¥1,500(1ドリンク付)
予約はメール、電話(03-3461-1254)、及び店頭にて (営業時間12〜20時 日曜定休)
メール:info[a]flying-books.com ※[a]を@に換えて送信してください
Flying Booksで久しぶりのアート展示がスタートしました!
金座座談 「秘宝本館」展 2013年3月25日(月)〜4月14日(日) Flying Books
NYの人気現代アーティスト、リチャード・プリンスのアングラ・エロス作品をエスニックに仕上げたかのようなエロス、民俗、伝統、宗教等が絶妙にブレンドされた破天荒なコラージュと、精密な裁縫・パッチワーク技術によって制作された金座座団の「秘宝本」を集めた展示会。
荻窪のニヒル牛での展示等で名を馳せた金座座団の今や希少となった2000年制作のコラージュZINEから、人気タレントのヌードをプリミティブかつ大胆にマッシュアップし、全ページをオリジナルコラージュで構成・手縫い製本された1点もの、今年に入って完成した最新作品まで約25点を一挙に陳列。
(自主規制で陳列見合わせとなった作品が1点・・・要問)
各1点限りのオリジナル作品はもちろん(1万円〜)、番外篇として、収録されなかったオリジナルコラージュの分売や、残りわずかとなったZINEなど、希少ながらも手頃な価格の作品もあります。(1000円〜、早い者勝ち!)
(金座座団氏)
※「秘宝館」(ひほうかん)
性風俗や人間の性・生物の性に関する古今東西の文物を収蔵した施設のこと。熱海など温泉街やリゾート地に多く見られる。
いよいよ今週末「アート・フェア東京2013」が開催されます。
アマナホールディングスのブースでは、写真雑誌『IMA』がセレクトした「日本の写真のいま 107人」にプリントと写真集に触れることのでき、Flying Booksも新刊では手に入らないヴィンテージ写真集の出品協力をさせていただいてます。
荒木経惟・篠山紀信・倉田精二をはじめ、新進気鋭の写真家まで、入手困難な写真集を揃えました。すべて一点ものになります。
注目のギャラリーが一堂に会するアート・フェア、この機会にアートとしての写真集をご覧ください。
「アートフェア東京2013」
http://artfairtokyo.com/
日時:(一般公開)
3月22日(金)11:00-21:00
3月23日(土)11:00-20:00
3月24日(日)10:30-17:00
場所:東京国際フォーラム 地下2階 展示ホール
21日夜に開かれたプレビューの模様
写真家の北井一夫先生@ZEN FOTOギャラリー
古書業界からは神保町の小宮山書店 さんと、ボヘミアンズ・ギルド さんが
お世話になっている原宿のGallery Target さんのブース。真中のオールドアメリカンテイストの中にラスメイヤー的なフェティズムを散りばめたドローイングのアーティスト「MAGDRON」は要注目。