万年筆がすき。
『Fountain Pens of The World』は、万年筆界の権威・Andreas Lambrou氏が集めた世界各国の万年筆(ヴィンテージからモダンまで)の、その歴史とブランドを豊富な写真と資料で紹介した非常に重厚な本です。
170ページ以上のフルサイズの写真ページには、約2000本の万年筆がカラーで実物大で見られます。
また、万年筆のメカニズムとデザインの発達を精緻な挿絵で紹介。
今では世界的な権威であるAndreas Lambrou氏は、12歳の頃から万年筆を集め始め、「Pen World」や「Vogue」などのライターを経て、「Classic Pens Ltd.」という会社を設立。万年筆の修理と販売をおこなっているそうです。
私がお気に入りの1本を求めたのは16歳の頃、たしかOliveで見たフランスの万年筆(Recife)が素敵だと思って、渋谷のBleu Bleuetに買いに行ったのを覚えています。赤いマーブル模様の軸で、専用のアルミの筒に入っていました。「Recife」と走り書きした文字もカッコよく、持っているだけで大人になった気分。大事にしているうちにインクが固まってあまり使えなかったという苦い思い出があります。
ふだんはゲルインクのペンが使いやすいのですが、カバンにお気に入りの1本がいつも入っていて、ここぞというときにサッと出せるといいですよね。
万年筆で書かれた字を見ると、なんだかその人らしさが感じられて好きです。
字が上手でなくても、その人の字として愛着がわきます。
万年筆を手に持ったときの重さ、インクの色あい、軸の材質など、アナログな感じが古本にも似ていると思います。
質・量ともにこれほどの写真と資料が豊富な万年筆の本は類を見ないでしょう。
リファレンスとして万年筆コレクター必携の書です。
『Fountain Pens of The World』
Andreas Lambrou
HC Philip Wilson Publishers 1998年
14,500
Uehara