コルビュジエの叡智をたどる三冊
モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエ。
そのインスピレーションの源や、実際に建造された作品など、
偉大な叡智をたどることができる三冊をご紹介します。
『新しい時代のシンボルである』
構造と機能の最先端技術の結集であり、
上空から俯瞰するという新たな視点をもたらした飛行機を
コルビュジエはそう賞賛した。
写真の選別からレイアウト、テキストにいたるまで本人が手掛ける。
テキストに大小をつけ、自らのスケッチをあしらうなど、
細部にまで強いこだわりが感じられる一冊。
飛行機の写真→飛行中の様子→俯瞰した都市・自然と流れていく世界観は、
飛行機の物質的な美しさを讃えるとともに、
まるで大空を飛行しているような気分にさせてくれる。
『AIRCRAFT』
LE CORBUSIER
The Studio, 1953
HC、初版、図書館蔵印、蔵書票貼込、複写カバー
Sold
コルビュジエにとって飛行機は、
大いなるインスピレーションを与えてくれる存在だった。
後期の代表作に挙げられる「ロンシャンの礼拝堂」。
象徴的ともいえる曲線屋根のデザインは、
飛行機の翼に着想を得たとされている。
モノクロの美しい写真や挿絵を組み合わせ、
斬新でありながら荘厳さを感じさせる本書からは、
ロンシャン礼拝堂の静かな息遣いが聞こえてくる。
また、1950年代以降にコルビュジエの書籍を数多く担当した
編集人ジャン・プティが描くテキストも魅力のひとつだ。
『Ronchamp』
LE CORBUSIER
Jean Petit,1957
HC、初版、カバー少イタミ
¥25,000
先述のジャン・プティが表紙を手掛けた本書。
カバーがある状態のものは希少で、
力強いドローイングと魅力的なカリグラフィが味わえる。
綴られるのは、1958年のブリュッセル万博にて、
コルビュジエが担当したフィリップス社の
パビリオン設計と映像制作の内容の図版&テクスト。
その他、パビリオンのデザインに携わったクセナキスや、
映像作品に音楽を提供したエドガー・ヴァレーズなど、
豪華な面々によるテクストも収録している。
『LE POEME ELECTRONIQUE』
LE CORBUSIER
Minuitm 1958
HCカバー 少イタミ 地に少書込み
Sold
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