果てしなく続く砂浜で休暇を満喫する無数の人々、背の高いパームツリーや、天井の高いスイミング・プール。
初めて手にした時は、カリフォルニアの写真集かと勘違いしたほど。
まさか、連日アスリートたちの雪上や氷上での熱い戦いが繰り広げられているオリンピック会場のソチとは思いましせんでした。
ロシアの写真家 Ivan Shaginが1959年に撮影したリゾートの写真集。ミッドセンチュリーのロシアのリゾートライフを紹介する本としても秀逸です。ところどころ入るカットやカバーデザインも魅力です。
(露)『Sochi』
Ivan Shagin写真 HC 初版 カバーイタミ
1959年(モスクワ刊)¥35,000
(K.Yamaji)
フランツ・ローとヤン・チヒョルト編集による、『Foto-Auge― Oeil et Photo―Photo-Eye』。
1929年オリジナルの復刻版です。
表紙はリシツキーのセルフ・ポートレートを使ったフォトモンタージュ。
この本のオリジナルが出版された1929年、機械化の時代にあって、すでに写真表現は豊かでした。技術を身につければ誰でも写真を撮れるということは、何を撮るか、どのように表現するかということが問われていたということでしょう。
ドイツの歴史家・写真家・美術評論家でもあるフランツ・ローが序文「mechanism and expression」で写真の本質とその価値について考察しています。
タイポグラフィーはヤン・チヒョルト。
ここでいう「写真」とは、リアリティ写真、フォトグラム、フォトモンタージュ、エッチングやドローイングとあわせた写真、タイポグラフィとあわせた写真の5つのカテゴリーに分かれています。
アッジェにはじまり、マン・レイ、モホリ=ナギ、リシツキー、ゲオルゲ・グロッス、ヤン・チヒョルトなどの写真作品を収録しており、様々なアプローチで新しい写真表現が生まれてきていたことがわかります。
『Foto-Auge― Oeil et Photo―Photo-Eye』
Franz Roh Jan Tschihold 編
SC
Thames and Hudson 1974年
¥18,000
Uehara