日本が誇る自転車力
日本の自転車の技術力の高さを海外に宣伝するために作られたカタログ『Japan’s Bicycle Guide』。シリーズ最初の号がカバー付で入荷しました。(カバー付は超レアです!!)
『Japan’s Bicycle Guide』を開いて、扉のデザインを見たとき、文字の入れ方、余白の取り方で、「これはもしかして…」と思ったのですが、
アート・ディレクターは、自ら主宰を務めた機関誌『VOU』で国際的に活動し、デザインも手掛けていた詩人・北園克衛。
1950年当時、すでに何十年も前から日本産の自転車は海外に輸出されていましたが、戦時中は輸出が止まり、戦争の影響で工場も被害を被りました。
しかし数年のうちに戦前と同じレベルまで復興しただけでなく、車輪や部品の質を高め、さらには海外の顧客向けにトレンドを意識したデザインを考案して、他国が真似できないほど技術レベルが高くなっていたのです。
『Japan’s Bicycle Guide』では、ほぼすべての自転車を網羅し、さまざまな細かい部品やアクセサリーを紹介、そして日本全国600以上の協会会員の製品と会社の紹介が掲載されています。
ところどころに、観音像や抹茶茶碗や能面など日本文化を紹介するページも挟み込まれており、日本の宣伝誌の様相を呈しています。
後半の各社紹介ページもデザインが統一されていて、モダンで余白を活かしたデザインが魅力です。
巻末には、輸出業者各社のマークと名前・住所など連絡先一覧が美しくまとめられています。
自転車産業の歴史的資料としても価値が高く、日本が誇れる技術力の高さ、エディトリアルデザインの美しさぜひご覧ください。
『Japan’s Bicycle Guide 1951』
初版 カバー少スレ チラシ付 The Bicycle Industry 1951年
¥95,000
上原麻紀