堀口大学訳詩集や海外文学、入荷!
かつて「第一書房」という出版社がありました。
大正末年から戦前の昭和期に長谷川巳之吉が創業し、書物の美にこだわり、
絢爛とした造本の豪華本を刊行、「第一書房文化」と讃えられたことで知られています。
その「第一書房」から刊行された堀口大学訳の詩集や海外文学がまとめて入荷しました。
昭和初期のものにもかかわらず、コンディションが良いものが多いです。
革装や天金を施しているものや、渋い函から出したときの思いもかけないような美しい装丁、ずっしりとした重厚な本もあれば、厚みのわりに空気のように軽い本もあり、手元に置いて大事に何度も眺めたくなるような本ばかりです。
いつか、目が見えなくなってきて、最後に何か一つ読むことができるとしたら、いつまでも噛みごたえがあって浸っていたいようなものがいいだろうなあ……、昔の人の詩や文章には時空を超え、それだけの耐性があると思うのです。
そう思って背筋を伸ばして開いてみると……。
「何故に、海の眺めは、無限に永遠に快適であるか?」
(ボオドレエル『感想私録』 赤裸の心 より)
この問いに対して、真剣な答えが続くわけですが、
一つひとつが短いので、パッと開いたところで、考えたこともないような淵に落とされるような衝撃があります。
しかし、これが生涯最後の読書だとしたら、悔やむに悔やまれないどころか、案外すっぱりと諦めがつくかもしれません。
堀口大学の訳は言葉が美しいので、本当に座右の書となるものが見つかるかもしれません。ここでは入荷品を一部紹介いたします。
この他、グウルモン、モンテルラン、マルグリット・オオドゥウ、ポオル・ヴァレリイなども入りました。
ぜひ店頭でご覧ください。
『空しき花束』堀口大學訳詩集
初版 天金 印有 函少イタミ
第一書房 大15
¥10,000
『感想私録』ボオドレエル
初版(1200部)革装 三方金 函背小印有 第一書房 昭8
¥7,000
『人間の土地』サン・テグジュペリ
初版 函
第一書房 昭14
¥5,000
『南方飛行』サン・テグジュペリ
新装版 函
第一書房 昭12
¥4,000
『ソヴエト紀行修正』アンドレ・ジイド
初版 帯 函 昭12
¥2,500
上原麻紀